ゆで卵は、熱湯を通して茹でるだけで、すぐにできあがる簡単な調理方法です。そのうえ、手を汚すことなくすぐに食べられるので、忙しい方にとっては、ありがたいですね。
お弁当のおかずに常備すると、時間短縮もできて一石二鳥です。そんな子供から大人まで人気のあるゆで卵ですが、卵の殻ってどうしてあんなに剥きにくいのでしょうか。
殻が剥きにくい原因から、その対策方法までをご紹介していきます。
●ゆで卵が剥きにくい原因の解説
できたての茹で卵を早く食べたいのに、焦って剥いてしまい、身まで剥がれてしまったという経験は誰でもあるものです。
身を剥がすことなく、きれいに剥くためには、何が大切なのでしょうか。
剥きにくいゆで卵の中では、何が起こっているのかを見ていきましょう。
・炭酸ガス
…ゆで卵の中は身以外にも、とてもたくさんの二酸化炭素が含まれています。
茹でている卵の中では、この二酸化炭素のために、殻の中で炭酸ガスが発生しています。
炭酸ガスは、卵の内部にある薄い被膜と卵白を密着させる働きがあります。この密着が強いほど、卵の殻は剥きにくく、身が剥がれやすくなるのです。
・新鮮な卵
…卵が新鮮なものであるほど、卵白にたくさんの二酸化炭素が蓄えられています。
二酸化炭素の密度が多いものほど、熱湯を通したときに、膨張させる働きが強くなるため、卵白と卵同士がくっつきやすくなってしまうのです。
産みたての新鮮な卵は、茹で卵には不向きなようですね。目玉焼きや厚焼き玉子に調理していただきましょう。
ゆで卵に向いていたのは、数日間過ぎたものでした。
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●ゆで卵が一瞬でむける裏技
殻の表面に隙間があればあるほど、ゆで卵は剥きやすくなります。
隙間があれば、卵白と殻との間に空気が入り込んできてくれるので、密着させる力を分散させることができるからです。
卵に隙間を作るための準備など以下にまとめました。
・しばらく浸水させる
…茹でた後の卵にあらかじめ、ヒビを入れておきましょう。熱湯から上げたら、すばやく冷水に浸します。
熱湯から、冷水と急激な温度差をつけてあげることで、卵の伸縮する性質を利用しています。
中身と殻の伸縮のタイミングはずれているため、ちょうどよく、隙間が生み出される仕組みです。
茹でたての熱が冷めて、卵が十分冷えたころがよいタイミング。
この下処理を行うことで、剥き始めをスムーズに進めることができます。
殻を剥くとき、均等にひび割れを全体に入れるために、テーブルやまな板の上などで、卵を転がすようにしましょう。
あまり力をいれずに行うことがポイントです。
・殻に画びょうで穴を開ける
…茹でるまえの卵のおしりに、画びょうで穴を開けておきます。卵の尖っていない、丸っこい部分です。
穴をあけると、割れないか心配という方もいらっしゃいますが、殻はもともと目に見えないほどの、とても小さな穴が空いているので、針ほどの穴をあけても、卵の生身が漏れてしまうようなことはないです。
大きく穴をあけすぎると、茹でている途中で、白身が熱湯に飛び出すことがあるため注意して行いましょう。
あらかじめ酢を大さじ1入れてから茹でると、白身が飛び出すのを防ぐことができます。
酢にはたんぱく質を固める力があるためです。
●ゆで卵を茹でる時の注意点
・新鮮な卵は使用しない
…産みたてから、2周間経過した卵を使用するのがおすすめです。卵の表面は人間の目だけでは確認できないほどの、とても小さな穴が空いており、卵はそこから呼吸しています。
卵の殻の中には、たくさんの二酸化炭素が含まれていますが、時間が経過していくにつれて、呼吸とともに、外気に漏れ出してしまうのです。
二酸化炭素が抜け出した頃の卵は、熱湯を通したときの密着させる力が弱くなります。そのため、ゆで卵にするには、新鮮なものではなく、ある程度期間が過ぎたものを調理するとよいでしょう。
・卵を常温に戻しておく
…卵を水の温度と同じにしましょう。
熱湯に通す前の卵を冷蔵庫から取り出しておきます。水と卵のあいだで温度差が少ないほど、卵の茹でる時間を短縮することができます。
調理10分まえくらいが目安です。気温の高い夏の時期などはもう少し時間を短くしてもよいです。
あまり長時間、常温で放置しておくと、卵が痛む原因となりますので注意が必要です。
・水から茹で始める
…お湯から茹ではじめるほうが、早いように感じますが、実は逆です。
卵と水の間にあまり温度差がないほうが、早く効率的に熱が行き渡ります。
かならず水から茹で始めることが、ゆで卵を早く仕上げるコツです。
熱湯を先にくぐらせるなど、急激な温度変化を卵に与えると、茹でるのに時間がかかるうえ、ひび割れなどしてしまう原因を引き起こしてしまいます。
・水の量
…卵全体が、隠れるくらいの量をいれましょう。
少なくしたい場合は、卵が半分隠れるくらいでも、ゆで卵を作るには十分です。
水を少なくして作るときは、必ず鍋に蓋をするようにしましょう。
お湯が沸騰し始めたころが蓋をするタイミングです。
・卵の黄身を中心に持ってくる
…卵の黄身を、きれいに真ん中に持ってくる方法があります。
お湯が沸騰するまでの間、箸で卵を転がすようにしてみましょう。
こうすることで、出来上がりのとき、黄身がきちんと真ん中にできています。
まとめ
●ゆで卵の殻には、新鮮さを保つ不思議な仕組みがあった!
おいしいゆで卵を作るには、工夫した熱湯の加減が必要であることを知りました。
上手に殻がむけたときの感動を味わってみてください。きっとゆで卵を作るのが楽しみになります。
半熟や固めなど自分なりにアレンジすることで、特別においしいゆで卵に巡り会えますよ。
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